今回は「膝関節」にターゲットを絞り、
「破壊と創造」をテーマに技術をお伝えさせて頂きました。
・皮下組織を剥がす
・膝蓋骨を動かす
・半月板を捉えて関節間隙を広げる
・靭帯、関節包、滑液包の癒着を取る
持続的ストレスからくる膝関節の可動制限の除去、微損傷や古傷の治癒を促すことが目的です。
治すことが目的ですが、関節周囲の再生を促すために、少なからず細胞を壊し、炎症も起こさせるアプローチ法です。
治すこともできますが、壊すことも容易です 。
事前の検査、言葉添え、過度の使用には注意して使って下さい。
人が体について何かを学ぶ一番のきっかけは、自身の体が壊れた時です。
2年前、トレーニング中に右膝関節に重度の損傷を負いました。
病院では「手術した場合でも、これまでのように長距離を走ることはできない」という診断と宣告を受けました。
手術しなくても走れない、手術をしても走れるようにはならない。
膝の手術は野球やサッカー、バスケ、バレー等の、短いダッシュを繰り返すスポーツには適応しますが、左右差が持続的に掛かる長距離走の場合は、復帰した例が無いということでした。
手術によってできる「歪み」が、波及して更なる構造上の破綻を招くからです。
それでも、もう一度競技復帰したいという思いから、「手術をして競技復帰をした一例目になる」という覚悟を決めて、手術に踏み切りました。
競技復帰できるかどうかは、リハビリに全てが掛かっていました。
星野先生の協力を受けながら、術後およそ4カ月の集中的なリハビリを続け、何の後遺症もなく走ることができるようになりました。
それも、怪我をする前よりもレベルアップして復帰できた という、おまけ付きでした。
競技水準は、今もなお伸び続けています。
今回お伝えした技術は、リハビリで経験的に得たことを日々の施術に落とし込み、使っているものです。
私は自分が大怪我をしたことで、スポーツ外傷のリハビリに強みを持つことができるようになりました。
理楽整体の基本である「関節を動かす」ことは、体に備わっている治癒機能を最大限引き出してくれます。
この基本が無かったら、私の競技復帰はあり得なかったでしょう。
ダイレクトに関節にアプローチして、膝関節に新しい風を吹き込む。
そんなイメージで施術してみて下さい。
膝関節の治療が、受講された方の強みになることを願っています。
村田稔明