これまで本を読み、影響を受け、その都度行動を変える試行錯誤。
その積み重ねが今の自分を作っています。
スピーカーとして本を選ぶ前に、そもそも本とは何だろうと立ち返ってみました。
本とは「自分が歩けない時間軸の共有」ではないだろうか。
過去に生きた人の考えや経験、自分では体験できないことを共にシェアするための扉。
ひとりで考えられることや、見えることは、「思い込み」から完全に逃れることができません。
人は見たいものしか見えないし、見たい世界だけを選んで見ています。
現実と認識には、多かれ少なかれ差があります。
その差があることを前提にしてモノゴトと向き合うか、
見えているものが正しいという前提で向き合うか。
同じものでも認識が違えば、それに対する行動は変わってきます。
全ての差は、認識の違いである。
本を読む、読まないの差が、その違いを作っていると考えています。
どこからでも情報が手に入るこの時代に、なぜ本なのか。
それは本に潜って著者と対話することで「深さ」を経験できるからです。
情報が増えれば増える程、世の中では浅い分析、浅い考察、浅いコメントが増えました。
整体師こそ、深さがあって欲しい。
深さとは、言い換えると観察力です。
観察力は、見るべきものに注意を置き続ける集中力と、ベースとなる知識でできています。
「技はアート」です。
アートとは、科学と哲学の掛け算です。
科学とは、観察の歴史です。
哲学とは、自分の内側から湧き上がるエネルギーです。
科学で観測できるものに重きを置きながら、感情という見えないものをみる力も必要です。
論理や機械的なものとは、対極にある人の感情。
あいまいで、よくわからないもの。
心の動きを感じられることが、人間力ではないかと思います。
小説、物語に感情移入して、まず自分の心が動かされる経験ができるのも、本の面白さです。
見えている世界の小ささを知る。
そして見えている穴の大きさを変えたり、数を増やすことで、世界の見え方を変えていく。
僕はそうして今までの人生を歩んできました。
「本」という存在についての要約チャンネルでしたね。
ありがとうございました。
参考文献
「読書する人だけがたどり着ける場所」齋藤孝 SBクリエイティブ 2019
「観察力の鍛え方」佐渡島庸平 SBクリエイティブ 2021
「日本一売り上げるキャバ嬢の億稼ぐ技術」小川えり KADOKAWA 2019
「集中力」セロン・Q・デュモン サンマーク出版 2006
「記憶力」ウィリアム・W・アトキンソン サンマーク出版 2007
「敗軍の名将 インパール・沖縄・特攻」古谷経衡 幻冬舎 2021