MOVテクニック技術編1 〜頭骸骨は静止していない〜

2025年12月から本格的にスタートしたMOVテクニック。

このテクニックの最大の特徴は、「動いていないように見えるものほど、実は精緻に動いている」という身体観に基づいている点にある。

12月の講義では、頭骸骨の動きについて深く学んだ。

一般的に頭骸骨は「硬く固定された構造物」というイメージを持たれがちだが、MOVテクニックではそれを完全に覆す。縫合と縫合のわずかな遊び、呼吸や脳脊髄液の循環に伴う微細なリズム。その一つひとつを“感じ取る感覚”を養うことが、12月の大きなテーマだった。

そして2026年1月。

今月はいよいよ、その「動き」を使って、頭骸骨の歪みを見つけ、矯正していく段階へと進んだ。

単に骨の位置を見るのではない。

形だけを追うのでもない。

動きの質、方向、止まり方、逃げ方。まるで会話をするように、頭骸骨の反応を読み取っていく。

MOVテクニックの刺激は非常に独特だ。

強く押すわけではない。

かといって、ただ優しく触れるだけでもない。

そこには明確な「意図を持った圧」と「逃がさない接触」が存在する。

ほんのわずかな圧の角度が変わるだけで、頭骸骨の反応は驚くほど変化する。

押圧という言葉では表現しきれない、しかし確実に“伝わる”刺激。

その瞬間、今まで沈黙していた部位が、ふっと動き出す感覚が手に返ってくる。

今回特に中心となったのは、

前頭縫合、鼻骨縫合、そして前頭骨のテクニック。

前頭部は、思考・感情・自律神経とも深く関わるエリアだ。

ここに歪みや動きの制限があると、頭痛や目の疲れ、集中力の低下だけでなく、全身のバランスにも影響を及ぼす。

前頭縫合では、左右差や開閉のリズムの違いを丁寧に探っていく。

鼻骨縫合では、呼吸の通り道としての役割だけでなく、顔面全体の緊張や歪みとの関連を感じ取る。

前頭骨の調整では、頭全体がふわりと軽くなるような変化が、施術者の手にも、モデルの反応にもはっきりと現れた。

印象的だったのは、矯正が進むにつれて、

「何かをした」という感覚よりも、

「本来の動きを邪魔していたものが外れた」

そんな感覚が強くなることです。

MOVテクニックは、治すために無理に変えるのではない。

身体が自ら正しい位置へ戻ろうとする、その“スイッチ”をそっと押す技術なのです。

頭骸骨は静止していない。

そして、その動きを正確に感じ取り、導くことができれば、身体は驚くほど素直に応えてくれる。

今回の技術編1は、MOVテクニックの奥深さと、可能性の広さを改めて実感する時間となったとおもいます。

これからさらにどこまで身体と対話できるのか。

その探究は、まだ始まったばかりです。

また来月もよろしくお願いします。

えじり